COME TOGETHER合同会社

2026/10/03 スタッフの定着

スタッフ同士が付き合ってる!?院内恋愛、病院はどこまで口を出す?

「先生、どうやら〇〇さんと〇〇さん、付き合ってるみたいですよ」

そんな話を耳にしたら、院長としてはちょっと気になるかもしれません。

いつから?
みんな知ってるの?
仕事に影響ない?
もし別れたらどうするの?

……気になることはいろいろあります(笑)。

動物病院は、スタッフ同士の距離が近くなりやすい職場です。

毎日一緒に働き、忙しい診療を乗り越え、ときには緊急対応や夜勤も一緒。大変な場面を共有することも多いので、自然と距離が縮まることもあるでしょう。

そこで今回は、少々扱いに困る「院内恋愛」について考えてみたいと思います。

そもそも、院内恋愛ってダメなの?

私自身は、

仕事に影響がないなら、ご自由にどうぞ。

という考えです。

誰と誰が付き合うかは、基本的にはプライベートなこと。

スタッフ同士が付き合っているからといって、病院がわざわざ介入する必要はないと思っています。

むしろ本人たちは「誰にも気づかれていない」と思っていることもあります。

でもですね。

こういうのって、だいたい周囲は気づいています(笑)。

本人たちは完璧に隠しているつもりでも、

「あれ……?」
「もしかして……?」

と、なんとなく伝わるもの。

それでも仕事に何の影響もなければ、周囲も「まあ、そういうことね」とそっとしておけばいい話です。

問題は、恋愛が仕事に入り込んできたときです。

「この手術、一緒に入りたい」が始まる

実際に私が経験したケースです。

獣医師の男性と、動物看護師の女性が付き合っていました。

ある日、その獣医師が担当する手術が入ります。

すると朝から、その看護師が手術予定のワンちゃんをしっかり確保。

なぜかというと……

自分がその手術に入りたいから。

ほかの看護師に担当を取られないように、朝からワンちゃんを離しません(笑)。

いやいや。

ワンちゃんはあなたたちのデートの予約席ではありません。

手術に誰が入るかは、本来、その日の診療状況やスタッフ配置、経験などを踏まえて決めるもの。

ところが、そこに「一緒にいたい」が入ってくると、話が変わってきます。

夜勤まで一緒にしようとしないでください(笑)

同じカップルでは、夜勤のシフトでも似たことが起こりました。

「この日に入りたい」
「あの日はちょっと……」

いろいろ希望を聞いていくと、どうも二人の夜勤を合わせたいらしい。

もちろん、シフト希望を出すこと自体は悪いことではありません。

でも、病院のシフトは二人のデートスケジュールではありません(笑)。

ほかのスタッフとの公平性や診療体制を考えて組むものです。

二人の希望を優先することで、誰かが希望していない日に勤務することになったり、配置に無理が出たりするのであれば、それはもうプライベートだけの話ではなくなります。

本人たちより、周りが気を遣っていることも

院内恋愛で意外と見落とされやすいのが、周囲のスタッフです。

本人たちは普通にしているつもりでも、周囲は案外気を遣います。

「この二人、今日ちょっと空気悪くない?」
「昨日ケンカした?」
「この仕事、二人を離したほうがいいのかな……」

そんな余計な気遣いが発生することもあります。

そして別れたら別れたで、

「今日この二人、同じシフトだけど大丈夫かな……」

と、また周囲が気を遣う。

恋愛している本人たちより、周りのほうが疲れている。

そんなこともあります。

そして、もっと複雑なケースもあります

院内恋愛といっても、独身同士とは限りません。

私が経験した中には、既婚の男性獣医師と未婚の女性看護師というケースもありました。

このケースでも、やはり一緒に仕事をしたがるなど、診療やシフトに影響が出始めました。

そして最終的には配偶者に知られることになり、二人とも退職。

こうなると、もう「本人たちのプライベートだから」で済む話ではありません。

病院側としては、一度に二人のスタッフを失うことになります。

採用もしなければならない。
残されたスタッフのシフトも組み直さなければならない。
場合によっては、職場の雰囲気にも影響します。

恋愛そのものに職場が口を出す必要はありませんが、仕事への影響が出始めたら、話は別です。

では、院長はどこから介入する?

「スタッフ同士が付き合っているらしい」

その段階で、

「ちょっと二人とも院長室へ」

と呼び出す必要はないと私は思います。

見るべきなのは、

付き合っているかどうかではなく、仕事に何が起きているか。

です。

たとえば、

  • 特定の二人がいつも一緒に勤務したがる
  • シフトに過度な希望を出す
  • 診療や手術の担当に私情が入る
  • ケンカや別れによって業務上必要なコミュニケーションが取れない
  • 周囲のスタッフに負担や不公平感が生じている

こんなことが起き始めたら、職場として対応するタイミングです。

ただし、注意するときも、

「付き合ってるからダメ」

ではありません。

「このシフトの組み方ではほかのスタッフに負担がかかっています」
「手術担当は個人的な希望ではなく、病院として決めます」

など、あくまで仕事上の行動について話すことが大切です。

院内恋愛に「正解」はない

院内恋愛を全面禁止にしたところで、人の気持ちまで禁止できるわけではありません。

そして、スタッフ同士が付き合っていても、仕事とプライベートをきちんと分けて働いているなら、何の問題もないでしょう。

だから大切なのは、「院内恋愛をどう防ぐか」ではなく、

恋愛が仕事に影響したとき、職場としてどう対応するか。

何も起きていないなら、そっとしておく。

何か起きたら、「恋愛問題」ではなく「職場の問題」として考える。

そのくらいの距離感でいいのではないでしょうか。

とはいえ。

手術予定のワンちゃんを朝から確保するのは、やめてください(笑)。