動物病院の“予防シーズン有休問題”シリーズ|第4回:繁忙期の有休、院長はどう対応する?
繁忙期の有休について、スタッフの希望も大切にしたい。でも、現場を回すことも考えなければならない。そんな悩みを抱える院長も少なくありません。
このシリーズでは、動物病院の繁忙期に起こりやすい有休の悩みを通して、スタッフの希望と現場運営のバランスについて考えてきました。
第4回は、これまでの内容を踏まえて、繁忙期の有休問題にどう向き合うか、現実的な対処法について考えます。
▼動物病院の“予防シーズン有休問題”シリーズ過去の記事
ここまで、
- ・スタッフにも大切な予定があること
- ・推し活問題
- ・院長側の苦悩
- ・不公平感の難しさ
について考えてきました。
では実際に、繁忙期の有休問題にどう向き合えばよいのでしょうか。
もちろん、絶対の正解はありません。
その上で、動物病院ではこんな運用が現実的かもしれません。
① 有休ではなく「週休の振替」で対応する
これは実際、かなり現実的な方法です。
例えば、
- ・本来の休みを別日に移動する
- ・LIVE当日に休みを合わせる
という形。
こうすると、「休みの日数自体は増えない」ため、院長側も受け入れやすくなります。
繁忙期の現場負荷を考えると、合理的な方法の一つです。
② シフト交換相手は、まず本人に探してもらう
これも大切。
院長がすべて調整し始めると、管理側だけが疲弊してしまいます。
だから、「まずは自分で相談してみてね」というスタンスは、決して悪いことではありません。
実際、
- ・周囲への配慮
- ・当事者意識
- ・チーム感覚
が生まれやすくなります。
③ ただし、“丸投げ”にはしない
一方で、「代わり見つからないなら無理ね」だけで終わると、今度は“言い出せない職場”になってしまうことがあります。
特に動物病院は、
- ・少人数
- ・女性比率が高い
- ・空気を読む文化が強い
傾向もあるため、「本当は休みたいけど言えない」になりやすい。
だからこそ、「難しかったら一緒に考えよう」という院長やマネージャーの姿勢も、とても大切だと思います。
④ 理由そのものをジャッジしすぎない
結婚式はOK。
LIVEはNG。
もしそうなると、
“院長個人の価値観”で判断されているように感じるスタッフも出てきます。
もちろん現場事情は考慮すべきです。
でも、「本人にとって大切なもの」として一度受け止めることは、信頼関係につながります。
⑤ 「取らせない」より、「辞めさせない」視点を持つ
院長としては、その日のシフトも大事です。
でも長い目で見ると、
- 「相談しやすい」
- 「人生を大切にしてくれる」
- 「困った時はお互い様」
そう感じられる職場は、定着につながりやすい。
逆に、「どうせ言っても無理」という空気になると、スタッフは静かに離れていきます。
大切なのは、どんな組織文化をつくりたいか
繁忙期の有休問題に、きれいな正解はありません。
でも私は、
「制度をどう運用するか」
というより、
「どんな組織文化をつくりたいか」
の問題に近いのではないかと思っています。
院長が困るのも自然。
スタッフが大切な予定を優先したいと思うのも自然。
だからこそ、
“お互いを理解しようとする姿勢”
が、最後は組織を支えるのかもしれません。
繁忙期の有休問題は、病院の人数や働き方によっても事情が異なります。
「これが正解」と決めることは難しいからこそ、日頃からスタッフ同士で相談しやすい関係をつくったり、それぞれの病院に合った運用を考えたりすることが大切なのかもしれません。
今回のシリーズが、「自分たちの病院ではどうだろう?」と考えるきっかけになれば嬉しいです。